VR研修を採用する
企業事例3選
#05
Release date 2022.11.07
近年、さまざまな業界で注目されているのが、VRを活用した人材教育です。
仮想空間上で研修をすることで、リアルでは再現しづらい危険な現場を事前に体験できたり、研修を効率化できたりと、多くのメリットがあります。
国内では、どのようにVR研修が導入されているのでしょうか?
大手企業を中心にVR研修の活用事例をご紹介します。
01 JR東日本
危険な作業を
VRで疑似体験
JR東日本は、2017年からVRを活用した安全教育システムを導入しています。
新潟支社では、線路関係の工事を担当する現場スタッフに安全教育を行っていたものの、危険な作業を目の当たりにできず、危機意識を持てない点が大きな課題でした。
このシステムでは受講者がVRゴーグルを装着し、映像の中で危険行動を取っている作業員を指摘していくことで、安全意識を高められる体験型の教育となっています。
また、東京総合車両センターでは、車両との接触や転落など、作業中に起こりうる事故を想定して撮影したVR映像を制作。
危険な現場を疑似体験することで、作業品質の向上と事故発生の防止につなげています。
参考:
積木製作、VRを活用した安全教育システムをJR東日本に納入
VR技術を活用した安全教育ソリューションをJR東日本へ納入
02 ANA
客室乗務員や整備士の
訓練にVRを活用
ANA(全日本空輸)は、2019年から客室乗務員育成のため、機内の安全性確保に向けた保安訓練にVR研修を取り入れています。
火災や急減圧といった機内での緊急事態や、機内設備の安全確認作業を映像で再現しており、VR上で訓練することができます。
現実では再現困難なシーンを再現することで反復実習が可能となり、業務手順の定着を高めています。
2020年からは、労災ゼロを目指して整備士の安全体感教育にもVRを導入しました。
格納庫内整備作業を再現し、危険なポイントや行動を取ると起こりうる現象を擬似的に体験できます。
たとえば、危険を見逃して次の動作に移ったり、安全の動作手順を間違えたりすると、VRの中で受講者が転倒や転落してしまいます。
危険な現象が起きた原因の振り返りもあるため、整備士が実作業における安全意識をより高められる内容となっています。
参考:
ANA客室乗務員向け機内訓練にNEC開発のVRを活用
整備士の安全体感教育にVRを導入
03 ヒューマンライフケア
利用者目線に立ったVR研修で
介護での事故防止を目指す
介護サービスを展開するヒューマンライフケアは、介護スタッフを対象にしたVR研修を2017年に開始しました。
介護の教育研修はOJTと座学研修の組み合わせが一般的ですが、座学は受け身になりがちで、育成の効果が見えづらいという課題がありました。
そこで、VRの特性を活かし、介護を受ける利用者の視点を能動的に体験できる2つの研修コンテンツ、「スピーチ・ロック」「危険予知訓練」を独自で制作。
「スピーチ・ロック」では、「ちょっと待って」といった言葉による拘束を、利用者と介護スタッフそれぞれの視点で体験できます。
「危険予知訓練」では、360度のVR映像で作られた介護現場のフロアを見渡しながら、危険が発生しそうな場所を探すことで、事故防止につなげています。
参考:
ヒューマンライフケア VR(仮想現実)を活用した独自の介護スタッフ研修をスタート
04 まとめ
VRなら危険な現場を
事前に体験できる
これらの導入事例に共通しているのは、「実際に起きる可能性があるが、現場では再現しづらい危険な現象」をVRで再現し、受講者が事前に体感することで、事故防止や安全意識の向上につなげている点です。
従来はOJT任せだった内容をVR研修で体験できるようになれば、従業員の育成はより成果を出しやすくなり、競合他社との差別化にもつながります。
同じような危険な現象が起きやすい業界では、VRを活用した教育が今後さらに進んでいくでしょう。
交通誘導警備業界も、実際には再現しづらい現場での研修が求められる業界です。
交通誘導警備員向けのVR研修システム「トラフィックコンダクター」なら、VR映像で実際の交通誘導現場を再現しているので、OJTに出る前に繰り返し動作を学ぶことができます。
現場で役立つ人材を育成できることで、難易度の高い現場にも自信を持って送り出せるようになります。
「トラフィックコンダクター」の導入もあわせてご検討ください。